名古屋市東区のパーソナルトレーニングスタジオ「AMBER X STUDIO」
代表パーソナルトレーナーの生駒です。
本日は腰椎椎間板ヘルニアを持つ方のトレーニングについてです。
⬛︎ 腰椎椎間板ヘルニアとは
まずは、椎間板ヘルニアとは何?という方もいらっしゃると思います。
まずは椎間板を簡単に説明します。
脊柱(背骨)の間には椎間板というクッションが入っています。
脊柱は頚椎7、胸椎12、腰椎5の骨に分かれ、
その間に存在し、骨をつなぎ、動きの多様性を持たせ
骨へのストレスを分散させる為のクッション材
として存在しています。
構造は、
・髄核はtypeⅡコラーゲンとアグリカンが豊富
・線維輪はtypeⅠコラーゲンを含有する線維軟骨
の2層構造です。
20歳代から次第に変性が進行、髄核内のアグリカンが
減少し水分保持能力低下、椎間板の高さが減少。
【椎間板の変性要因】
加齢、アポトーシス、コラーゲン異常
力学的負荷、プロテオグリカンの異常 etc
ライフスタイルや生活強度によって左右される部分も大きく
層状の線維輪の構築が破壊され髄核と線維輪の二層構造が破綻し、
終板から骨棘形成されていきます。
※図は 日本脊髄外科学会より参照
椎間板は腰椎の屈伸で髄核前後します。
・屈曲で後方へ
・伸展で前方へ
図 文献より引用
基本的に椎間板は血液供給がなく
栄養は終板を通して、運動により行われております。
その為、脊椎の運動は不可欠で髄核が動くことで
椎間板内ので水々しさを保つ為
運動(適度で屈伸運動のどちらかに偏らない)
を継続する必要があります。
また、腰椎屈曲姿勢の方が髄核の液体交換の視点からは
ニュートラルや伸展姿勢よりも優れている※
とも言われています。
ヘルニアの既往のない健常者には特に朗報ですね。
※To Crunch or Not to Crunch : strength and conditioning journal
要するに、脊柱のバランスのとれた運動や動きは椎間板内を水々しい
状況に保つという事ですね。特に屈曲運動。
逆にデスクワークや繰り返し同じ姿勢ばかり(不動)を取ると、年齢等とともに
変性する椎間板の劣化を早める要因となる可能性が高いという事ですね。
⬛︎ 椎間板ヘルニアの病態(椎間板内の髄核脱出)
椎間板内の状況は下記の図で、
※図 スポーツメディシンより
椎間板の髄核と言われる部分が線維輪を突き破り
神経根や脊髄を圧迫するものがヘルニアと診断名がつきます。
(MRIで確定診断、神経症状の有無など)
そのヘルニアですが
後縦靭帯なども破る事もあり、異物反応からの
MMP-7によりマクロファージからTNF-αが遊離されヘルニアの塊を
退縮する反応が促進。塊の消失が進みます。
PLL(後縦靭帯)を破るか破らないかは、症状の行方を左右しますね。
破れていない状況ですと、症状が落ち着いた後にまた症状出現
することも考えられますし・・・
破れたら破れたでさらなる脊椎のバイオメカニクスの変化と
対荷重の変化が考えられそうです・・
やはり上記に述べた、椎間板の仕組みや構造を考えるとヘルニアになる前から
エクササイズ及び日々のメンテナンスで椎間板の水々しさを
保つに限ります・・・
⬛︎ 椎間板ヘルニアを抱えた場合のトレーニング
腰部の椎間板ヘルニアは初期に腰痛が出ますが、
下肢の神経症状が主たる症状です。
一般的にヘルニアの症状が急性期の場合、安静(固定)や鎮痛剤
場合によってブロック注射で様子を見ます。手術に至るケースは
多くはなく保存的に経過を見ます。
(強い神経症状や麻痺、膀胱直腸障害があれば別)
積極的な場合はマッケンジーエクササイズなどで
対応する場合もありますが、慎重に行う必要があります。
急性期が過ぎ、症状が落ち着いてきたら今後の症状出現を予防する
事を最優先に考える必要があります。
よく「腹筋運動をしてください!」「お腹を強くしてください」
と言われますが、いわゆる腹筋運動もバリエーションがいっぱい
ありますので、当然、体幹部の筋力も大切なので行いますが注意が必要です。
【注意点】
椎間板ヘルニアの既往のある人は
いわゆる脊柱の屈伸運動は注意が必要です。
腰椎を繰り返し最大に屈曲伸展させたりなどは、ヘルニアを後方に
脱出させるような強い力をかけることに・・
さらなる椎間板の劣化を招くつながる恐れもあります。
(マシンエクササイズで繰り返し屈曲動作のみ行い続けるなど)
過度なバックエクステンションも注意が必要です・・
ただ体幹部の筋力も必要なので
基本的に腹部のエクササイズは
症状を見ながら行うことと、クランチよりもシットアップエクササイズ
の方が、バランスが良いと感じます(私見ですが)
クランチ運動(腹直筋の腰椎屈曲中心運動)よりも
シットアップ運動で腸腰筋と腹直筋の腰椎に相反する
力(筋肉)を利用し、腰椎を屈曲伸展のどちらか極端な方向に
持っていかない事が大切だと感じます。
アイソメトリックエクササイズのプランクなども
屈伸運動が入らない為、良いですね。
しかし優先順位的にはいわゆるアウターユニットの高域値トレーニング
(上記のエクササイズ)の前に
低域値なエクササイズが必要です。
四つ這いで正しく体幹部をを保つ、上肢下肢のいずれか2点や3点でバランスを保つ
ボールエクササイズでの脊柱骨盤コントロールや
細い板の上を歩いたりするような
「深部反射的なスタビリティエクササイズ」
でサイズの小さい筋群を刺激し活性化
してあげることが体幹コントロール・脊柱のコントロールに不可欠だと感じています。
上記のコアエクササイズの前に入れてあげるといいですね!
⬛︎ 今後、ヘルニアや腰痛を予防するには
予防の観点からは,
筋力だけではなく、
・骨盤と腰椎、股関節の動作パターン(ロコモーションパターン)の修正
・呼吸パターンの改善
・腹部の腹腔内圧の高め方など
・生活動作やスタイルを見直す
etc
上記の動きの改善、体幹部の動きのバラエティを増やすなど
が本当に大切です。
⬛︎ 生活や仕事の指導が大切
トレーニングも大切ですが・・
腰痛(McGll)の書籍にも髄核ヘルニアは労働者などは
繰り返しの長時間の屈曲運動が原因である事から、
線維輪の膨隆刺激を最小限に抑える必要があると述べています。
寝ている以外で多くの人が一番時間を使っている「仕事」の時間。
そこにメスを入れることが重要です・・・が難しい点ですね。
企業や法人にも責任や意識が問われます。
⬛︎ 余談
※NBAのチームなどはいわゆるクランチなどの腹筋運動は
一切させないチームもあります。リスクを考えて。
(◯億円の選手を守るために)
だらだら書き綴りましたが、
まとめ
・椎間板は2層で出来ている。
・健常者の脊椎の適度屈曲エクササイズは椎間板に有益
な効果をもたらす(液体交換的な視点)
・クランチよりもシットアップがおすすめ
・低域値のトレーニングが大切
・動作のパターンの修正が不可欠
・不動や過度な姿勢強制は椎間板の劣化を早める
・企業にも人財を守るため認識を高めてほしい・・
以上です。
amebaownd始めました。
http://amberxstudio.amebaownd.com
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